演劇二本立て。ワニモール、燐光群

今日は演劇鑑賞二本立て。

13時:ワニモール「タイムライン」@ギャラリー・ルデコ4F
前回の同集団の公演観劇時、コアな世代にしか通じない内輪ウケな笑いの創作に、思いあまってアンケートにいっぱい批判を書いてしまったことを今も心の痛みとして覚えている自分としては正直観るのが怖かった。
ホントは知らなかったふりしてスルーすりゃあいいじゃん?的態度でいりゃいいのに、ひとつには「泥リア」で次女しま子を演じた今井美佐穂さんのご主人で風煉ダンス前回公演「アンデルセンの卵」主演の柏木俊彦くん出演とあっちゃ観に行かないわけにはいかない。と思いつつも天気も悪いし梅雨だし眠いしどうしよっかなぁ・・・とグズグズしていたら、ツイッターで初日観たお客さんの「私には響きました」という一言に心動かされ結局観に行く。
総論。観て良かった!ていうか安心した。
ツイッターを使ってリーディングしたら?それをテキストに使ったら?という発想のもと10人の出演者により延々読み上げられる全く繋がりの無い呟きの羅列。
しかしそれはテキストとして緻密に再構成され、出演者の身体を持って時にうねり時に停滞し、脱線、自爆、迷宮入りなどを繰り返しTLを流れていく。
(TLじゃないけれど)時間軸上で自分の心にもいろんな思いが去来し呟き「畜生やっぱこの内輪ウケはつまんねえ!」「いやこの動きこの間は絶妙・・・」「いつまで続くんだ?!」「笑いってなんだろう・・・」「このテキストはどうやって作られたんだ?凄いな・・・」などなど、目の前で延々消費される言語とパフォーマンスとともに私の呟きもTL上に並べられ、いつしか心は浮いたり沈んだりふらふらとダッチロールしながら最後まで飛びきった。
確実に今を切り取っていた。

ちなみに「泥リア」の当初の構想ではツイッターを扱おうと思っていた。
少女「この星のひび割れた大地の下には呟きの川が流れています」と言うと
確かにそこには大小様々なゴミに混じって呟きが蕩々と流れている。まさに呟きの源泉掛け流し。結局それは物語上ではモノの呟きに変転していった。


19時:燐光群「推進派」@下北沢スズナ
今やキットキトの社会派戯曲を書く唯一無二のポジションにある坂手氏。
家人が観たいというので「ミルクプラント」以来の観劇。独断と偏見で言えば客席は皆さん「週刊金曜日」読んでそうな面持ち。演劇の観客席には珍しく男性客率圧倒的に高い。
帰宅して当日パンフレット読んで今回の創作の苦労を知る。ていうかそりゃあこういう創作方法とってれば大変だよなあ。
「だって思いついちゃったし書かざるを得ないんだからしょうがないじゃん!」という一本道を行く坂手氏。気骨を感じる戯曲。沖縄をテーマにしているところにシンパシーを感じる。
詳しく書くとネタばれになるから書かないが、ざっくり言えば沖縄の現状と日本の今がてんこもり!盛った盛った(ホントざっくりだなあ!これでもネタばれに近いが)情報満載でおなかいっぱいです。でも正直〝演劇の愉悦〟においては小腹が空いた感じ。。。
開演前と開演後に久しぶりに小屋付きのNくんと歓談。